２学期の終業式，体育館に響き渡ったピアノの音色。それは，６年生Ａさんのやさしいタッチの演奏でした。昼休みや放課後，ピアノに向かい，黙々と練習を重ねてきた。その努力が実り、全校児童の前で堂々と校歌の伴奏を成功させたのです。

 

　初めてのピアノ体験となるＡさんのピアノの腕前は，日々の積み重ねによって培われたものです。忙しい合間を縫って，ピアノ室にこもり，時には先生に教わり，時には一人で黙々と鍵盤に向き合いました。時には心が折れそうになったこともあるでしょう。しかし，Ａさんは決して諦めませんでした。「式で弾きたい。」という強い思いが，彼を突き動かしていたのです。

　無事失敗なく終えたＡさんの心には，これまでの努力が報われた喜びと，音楽の素晴らしさに対する感動が溢れたことでしょう。

 

　Ａさんのこの素晴らしい経験は，私たちに多くのことを教えてくれました。

　目標に向かって努力を続けること，困難に立ち向かう勇気を持つこと，そして，自分の力で何かを成し遂げる喜びを味わうこと。これらのことは，Ａさんだけでなく，私たち一人ひとりが生きていく上で大切なことです。

Ａさんの活躍は，学校全体を明るくし，後輩たちの心に火を灯すことでしょう。Ａさんの姿は，きっと多くの後輩たちの心に残り，目標に向かって努力することの大切さを教えてくれるはずです。

 

　明日から，最終学期の３学期。一人ひとりが自分の可能性を信じ，目標に向かって努力することができる児童が増えていくような学期になることを期待しています。