記事番号: 1-11506
公開日 2024年03月19日
お話をお伺いしたみなさま(左から)
総務課 儀保課長、管理部 福里課長、人事課 登野城主任
働きやすい職場づくりのための主な取り組みを教えてください
「勤怠システム」の導入による働き方の見直し
弊社では、2018年に「職場環境改善プロジェクトチーム」を設置し、5年がかりで一体的な見直しを行いました。その中でも、勤怠システムの導入が大きな取り組みでした。業界的にもドライバーの残業時間が問題となっていたのですが、システムの導入によりドライバーの勤務状況を日々把握して、抑制に向けた働きかけを行うことが可能になりました。また、働き方や環境を見直したことで、社員の定着にもつながっています。
「健康管理システム」による健康診断受診状況の管理
社員の健康診断受診状況をシステムで徹底管理しています。受診できていない社員には個別に働きかけ、健康に対する意識改革を行ったことで、受診率100%を達成しました。診断結果に対するフォローアップも行い、社員が元気に働ける環境づくりに力を入れています。
物流センターの在り方を見直した「新たな総合物流拠点」
2023年3月、浦添市牧港に「あんしん総合流通センター」が開所しました。従来の複数拠点を一つに集約することで効率性、生産性を高めるとともに、人と自動化のハイブリット物流の構築により、国内における人口減少や労働力不足といった課題解消にも取り組んでいます。また、カフェテリアや展望デッキを設置し、働く社員の就労環境の向上を図っています。
カフェテリアは景色を楽しみながら休憩できるスペースになっており、コミュニケーションの場として利用されています。軽食やマスク等の雑貨が購入できる無人販売エリアも併設されています。
多様な人材が活躍できる職場をどのように推進されていますか
障がいを持つ方を雇用する際の工夫
障がい者の法定雇用率は現在2.3%ですが、弊社はこれを大きく上回っています。毎年、特別支援学校などから就業実習生を受け入れ、定期的にフィードバックしながら就職につなげています。本人やご家族と話し合い、適性を考慮した上で配属先を決めることで、ミスマッチによる早期退職を防ぐようにしており、入社後の定着率は90%を超えています。
障がいを持つ方が働きやすい職場は、多様な人が働ける職場であるはずだという思いで職場づくりをしています。
外国人労働者へのサポート
以前、留学生が今後も弊社の仕事を続けたいと直接雇用を希望した際に、就業ビザを取得し採用につなげました。その後契約社員から正社員となり、現在は主任として、外国人労働者をサポートしています。採用時の技術指導や教育にも力を入れています。
女性の積極的採用
運送業は男性社会のイメージがあると思いますが、弊社の新入社員の約半数は女性で、活躍の場を広げています。
ドライバー職を希望する女性の育成にも力を入れています。研修体制を整えていて、一人ひとりの体力面を考慮しながら配送先を決めますし、実際にドライバーとして仕事している女性たちも日々ステップアップしています。女性ドライバーを受け入れる間口は広いつもりですが、外からは見えづらいのかもしれませんので、周知が課題です。
育児休暇中・復帰後のサポート体制
育児休暇中の女性社員に対して、復帰のタイミングや働き方の希望を聞き取り、スムーズな復帰につなげています。また、勤務時間や業務負担を考慮し、本人の希望があれば配置転換も可能です。男性の育児休暇についても、積極的に取得するよう呼び掛けています。
派遣社員の声を共有
弊社では多くの派遣社員の方も働いていますが、2017年頃から約2年間、勤務する派遣社員のみなさんの意見や疑問などを共有していただくことを目的として、派遣会社の担当者に出席いただき、月に1度会議を行っていました。派遣社員は、派遣先の会社のことを派遣元に発信することを躊躇される方が多いので、派遣会社との間で風通しを良くしようと考えての取り組みでした。
“自分らしく働き続けられる職場づくり”とは
組織の方向性を合わせるために意識していること
代表者からの発信が明確にあることで、みんなが同じ方向を向けるのだと思います。各営業所の所長は、週に1度の定例会で周知された代表者の言葉を社員に共有しています。
いろんな人が働きやすい職場はすごく雰囲気がいいと思っています。多様な人がいることで自然と配慮し合い、チームワークが向上し、それが仕事の質にも影響するという好循環が生まれています。単純に頭数が揃うということではなく、多くのメリットを感じています。
このような取り組みは一日二日で築き上げるものではなく、継続することで変化が出るものだと思っています。新たな目線からの意見もみんなでディスカッションして吸い上げるなど、柔軟な姿勢で取り組んでいきたいと考えています。弊社には昔から助け合いの文化や精神が企業の風土として根付いています。仕事も属人化せずお互いに助け合って仕事ができるような環境整備を目指しています。
☆女性管理職にインタビュー☆
本社管理部 総務課 課長 儀保 真理子さん
総務課の業務内容を教えてください
契約文書の管理や手続き関係、社内イベントの企画運営から健康診断の運営まで多岐に渡ります。事務職ではありますが営業所にも出向き、安全管理や社員の声を拾い改善につなげることもしています。運送業はやはり人が資本なので、社員の健康管理には特に力を入れています。長い年月をかけて社員たちの意識改革に取り組んできたことが着実に実を結び、受診率100%を達成しています。会社としての取り組みが評価され、先日全国健康保険協会沖縄支部から表彰していただきました。
全国健康保険協会沖縄支部より表彰されました
これまでのキャリアを教えてください
最初の子の出産後に知人が声をかけてくれて、グループ会社の経理のパートから始めました。育児休暇を取ったのは多分わたしが最初でした。3人目を出産するまでは家庭を優先し、正社員登用の話があってもお断りしていましたが、徐々に正社員の女性たちが育休からの復帰後に短時間勤務で働くようになり、同様の待遇を受けられるということで正社員になりました。勤務歴が長く周囲の後押しもあったので、短期間で課長になりました。女性の管理職を周囲が受け入れる風土があると感じます。
女性管理職として心がけていることや、今後なりたい姿を教えてください
課長に昇格するにあたって、私に何ができるのだろうかという不安がありましたが、周囲からは「今のままでいいよ」という言葉をいただきました。運送業は男性社会というイメージですが、女性ならではの目線で、社員の声を聴いたり、危険箇所を見つけたり、男性が気付きづらいところにスポットを当てるよう心がけています。
弊社は風通しがよく、連携して仕事をできる雰囲気が既にありますが、女性の役職者や現場リーダーが増えれば、もっと働きやすい職場になると思います。そのためにもロールモデルとしてがんばりたいと思います。
代表者メッセージ (代表取締役社長 照屋 勝士)
創業60年目を迎える弊社は、皆さまの支えと共に成長してきました。創業以来「人材は宝!」「企業は人で育つ」という信念を大切にしています。2023年3月に、浦添市に県内最大級の物流センターを開設し、従業員の働きやすい環境を整えることができました。
私たちは常に従業員の幸福を最優先に考え、一人ひとりが能力を発揮できる環境づくりに努めてきました。企業と従業員の関係は「共存共栄」。従業員のためにできることはまだ多くあり、引き続き改善に努めることが経営者の使命です。社内制度は常に現在社会の変化や従業員のニーズに合わせて見直し、適切な制度を提供することに力を入れています。
沖縄県民の生活に根差した企業活動を通じて、沖縄のさらなる発展に寄与したいと考えています。
会社概要
・名称:株式会社あんしん
・創立:1981年(昭和56年)9月1日 (創業:1965年)
・従業員数:586名(2023年4月現在)
・代表取締役社長:照屋 勝士
・主な業務内容:運送事業・倉庫業・物流コンサルティング事業
・取得認証:沖縄県ワーク・ライフ・バランス認証
働きやすい職場認証(本社含む8営業所で二つ星取得)