記事番号: 1-10701
公開日 2022年01月14日
1.政治活動と選挙活動
一般的に、政治活動とは個人または集団が「政治上の目的をもって行われる一切の活動、すなわち政治上の主義、施策を推進し、支持し、若しくはこれに反対し又は候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対することを目的として行う直接間接の一切の行為をいう。」ものとされています。これらの行為の中には、特定の候補者の推薦、支持等その当選を図るために行う選挙運動も含まれます。
しかし、公職選挙法においては、「政治活動」と「選挙運動」を明確に区別しております。
(1)政治活動とは
政治上の目的をもって行われるすべての行為の中から、選挙運動にわたる行為を除いた一切の行為とされています。
(2)選挙運動とは
特定の選挙で、特定の候補者の当選を目的として、投票を得又は得さしめないために、直接又は間接に働きかける必要かつ有利な行為をすることとされています。
よって、選挙運動にわたる政治活動は、公職選挙法での政治活動ではなく、選挙運動として規制されることになります。
2.日常の政治活動
選挙が行われていない平常時の政治活動は、選挙運動にわたらない限り、原則として自由に行えます。候補者等(現職や立候補予定者など)や政党・政治団体による政策の普及宣伝、党勢拡張などの活動や個人が行う講演会、議会活動報告会などの政治活動も行えます。
しかし、選挙が行われていないときであっても、候補者等の氏名や後援会の名称を書いた立札、看板やポスターが掲示されるなど、政治活動なのか選挙を目的とした選挙運動なのか、まぎらわしく判断しにくい状況から、公職選挙法においては、候補者等や後援団体の政治活動について、文書図画の掲示に関する制限を設けています。
(1)文書図画の掲示に関する規制[公職選挙法第143条第16.17.18.19項]
候補者等の氏名又はその氏名が類推されるような事項を表示する文書図画や後援団体の名称を表示する文書図画について、下記のもの以外は掲示することができません。
ア 立札及び看板の類
(a) 掲示場所
候補者等又は後援団体の政治活動のために使用する事務所等に掲示することができます。
(b) 大きさ
縦150cm×横40cm以内(足の部分を含みます。)
(c) 掲示枚数
選挙の種類により一定の枚数以内で、1事務所2枚に限り掲示することができます。また、それぞれの選挙を管理する選挙管理委員会から交付を受けた「証票」を貼ったものに限り、掲示できます。
証票の交付枚数[公職選挙法施行令第110条の5第1項第5号]
【市議会議員、市長選挙】
・候補者等 6枚
・後援団体等 6枚
※証票の交付は、浦添市選挙管理委員会で行います。
※詳細は以下をご覧ください。
※ 立札・看板の類は、事務所ごとにその場所へ掲示されるものであり、事務所の実体のない場所に取り付けて掲示することはできません。
また、当該選挙の期日の公示(告示)日の前に掲示したものであれば、選挙の期間中も掲示しておくことができますが、選挙期間中に新たに取り付けて掲示することや、移動することはできません。
沖縄県選挙管理委員会作成チラシ
(2) その他の規制
ア あいさつ状の禁止[公職選挙法第147条の2]
候補者等が、当該選挙区内にある者に対する年賀、暑中見舞などのあいさつ状(電報その他これらに類するものを含む。)を出すことは、選挙期間中や選挙期間前後のかかわらず禁止されています。
(a)年賀状(喪中による欠礼のハガキを含む)
(b)暑中見舞状・寒中見舞状、クリスマスカード
イ 禁止されないもの
(a)弔電や各種大会の祝電(選挙運動と認められない限り)
ウ あいさつを目的とする有料広告の禁止[公職選挙法第152条]
候補者等及び後援団体は、当該選挙区内にある者に対して、主としてあいさつ(年賀、寒中・暑中見舞及び慶弔、激励、感謝などの挨拶に限る。)を目的とする有料広告を、新聞紙、ビラ、パンフレットに掲載、テレビやラジオを通じて放送することは、選挙期間中や選挙期間前後のかかわらず禁止されています。
3.選挙時における政治活動 [公職選挙法第201条の5、第201条の6、第201条の8、第201条の9]
政治活動が規制される期間は、選挙期日の公示日・告示日から選挙の当日までです。なお、ここで規制されるものは、政党その他の政治活動を行う団体の政治活動であって、個人の行う政治活動は、候補者等の政治活動用文書図画の掲示の制限の場合を除き、原則として選挙運動にわたらない限り、自由であって何ら制限されません。
また、政党その他の政治活動を行う団体の政治活動であっても、規制を受けるものは、特定の選挙の選挙期間中に限り、その区域内における一定の政治活動であって、これらの規制の範囲外であれば、後援団体の政治活動用文書図画の掲示の制限の場合を除き、純粋な政治活動としてなされる限り、規制を受けません。
ただし、参議院議員、県の議会の議員ならびに県知事、市長の選挙の場合、一定の要件をそなえる団体は、「確認団体」として登録を受ければ、選挙期日の公示日・告示日から投票日の前日までの間に限り、一定の範囲内で政治活動を行うことができます。
確認団体のみが行うことができ政治活動には、
たとえば
1 政談演説会、街頭政談演説を開催すること。
2 政治活動用自動車、拡声機を使用すること。
3 ポスター、立札、看板の類を掲示すること
4 ビラを頒布すること。
5 選挙に関する報道評論を掲載した機関紙を頒布または掲示することなどがあります。
4.政治(活動)団体
政治資金規正法の規定により、主たる事務所が沖縄県内にある政治団体は、沖縄県選挙管理委員会に政治団体設立の手続をする必要があります。政治団体とは、次のいずれかに該当する団体をいいます。
1 政治上の主義若しくは施策を推進・支持・反対することを本来の目的とする団体(例:政党・政治結社やその支部、政治研究会、○○市政を考える会など)
2 特定の公職の候補者(公職にある者及び公職の候補者となろうとする者を含む)を支持・反対することを本来の目的とする団体(例:○○○○後援会など)
3 主たる目的が政治活動ではなくても、1や2の活動を主要な活動の1つとして組織的かつ継続的に行う団体
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