公開日 2021年06月01日
更新日 2023年04月01日
設立の経緯
かつて琉球の王都であった浦添は、13~14世紀頃に日本をはじめ中国・朝鮮・南方諸国との交易によって経済的繁栄と豊かな文化を作り上げていました。このような歴史的背景を、現代の都市づくりに生かす取り組みの一つとして、昭和58年に「琉球漆器の美展」が開催されました。本展は、本土へ渡った琉球漆器の名品約180点を沖縄ではじめて紹介し、内外に大きな反響をよびました。これを機に美術館建設の要望が高まり、平成2年に日本初の漆芸専門美術館・沖縄初の公立美術館として浦添市美術館が誕生しました。以後、優れた美術作品の鑑賞の場として注目を集めているほか、収蔵品をはじめとする漆芸品の調査研究も行っています。
活動指針
漆器の美を紹介 - 常設展示 -
当美術館は、16世紀から現代までの優れた琉球漆器のコレクションを中心に、日本をはじめ周辺諸国の漆芸品も収集しています。 常設展示室では、収集した漆芸品を中心に80~100点ほどを展示し、年3回テーマを設けて展示替えを行っています。
世界の美が浦添に - 企画展示 -
国内はもちろん世界の優れた美術作品について、ユニークで質の高い展示会を開催します。講堂では展示会に関連した講演会や映写会を行います。
創作と発表の広場 - 作品発表と教育・普及活動 -
当美術館の企画する展示会以外にも、一般のグループ展や個展などの発表の場としても利用できます。また、当館の実習室では漆芸教室や版画教室、陶芸教室などの実習を定期的に行います。
琉球・アジアの漆芸品の研究 - 調査・研究活動 -
琉球王朝文化が誇る琉球漆器を中心に世界の漆芸品について調査・研究し、その成果を発表していきます。
建物について
美術館外観
国道330号線から見える、ドームのような塔のような、不思議な建物に興味を惹かれたことはあるでしょうか。緑の合間から見えるうす茶色の建物は、ある人にとっては東南アジアの空気を感じさせたり、またはヨーロッパ古都のたたずまい、あるいはイスラムの香りを思い起こさせるかもしれません。この多国籍風の建物の正体は、沖縄県で初めて建てられた公立美術館、浦添市美術館です。
浦添市美術館を設計したのは、高円宮邸や世田谷美術館といった傑作を生み出した建築家、故・内井昭蔵氏です。 内井氏は浦添市美術館の設計について、「塔と回廊による構造」をテーマにし、次のように解説しています。
「建築は垂直方向に展開される塔性と、水平方向に展開される回廊性によって構成される。塔性とは足で地をつかんでいる人間、一つの世界を表現し、回廊性とは人と人、世界をつなぐ存在を表現する。人や世界は一つではなく、多くの人や世界とつながって共存し、より大きな存在となる。」
(参考:「塔と回廊による構造」『新建築 』 p249. 1990 新建築社)
主な施設
常設展示室
常設展示室は5室からなり、常に琉球漆器の展示を行っています。浦添市美術館が収蔵する琉球漆器の多くを見ていただければと、年に3回、テーマを決めて展示の入替をしています。
企画展示室
企画展自室は大小3室からなり、絵画展や書道展といった平面的な展示会から、彫刻やインスタレーションといった立体物や空間的な展示会にも対応できような作りになっています。過去にはナポレオン展や古代エジプト展などの総合的な展示会にも使用されました。
図書室
2階にある図書室には、各種美術雑誌から日本の美術、世界の美術、美術全集、美術年鑑など様々な書籍が置かれています。また琉球漆器専門の美術館ということもあり、沖縄独特の漆器や染織、織物などの工芸に関係する書籍も取り揃えています。
実習室
実習室には、漆芸室や木版・彫刻室、陶芸室や窯などが用意されてあり、充実した実習を受けることができます。毎年4~6種類ほど実習教室が開催されますので、実習参加者だけでなく見学にもお気軽にお立ち寄りいただけます。
施設概要
敷地面積 7,066平方メートル
延床面積 3,360.89平方メートル
導入部門 268.41平方メートル
展示部門 878.84平方メートル
常設展示室 476.47平方メートル
企画展示室 384.09平方メートル
教育研究部門 375.20平方メートル
収蔵部門 154.27平方メートル
調査研究部門 154.27平方メートル
事務管理部門 186.68平方メートル
電気機械部門 337.92平方メートル
共有部門 679.08平方メートル
構造 鉄筋コンクリート造/地上2階・地下1階
竣工 平成元年7月31日
開館 平成2 年 2月1日
設計・監理 (株)内井昭蔵建築設計事務所 (有)かみもり設計業務委託共同企業体
団体見学の皆さまへ
団体でのご来館の際には、事前に団体受付申請書を窓口又は郵送にてご提出くださいますよう、ご協力をよろしくお願いいたします。
申請書は下記リンクよりダウンロード又は窓口にてお受け取りください。
来館者の皆様の快適な利用と作品保護のため、施設使用上の注意についてご案内させていただきます。ご協力をよろしくお願いいたします。
①代表者がまとめてチケットを購入してください。再入場にはチケットの半券が必要になります。半券は個人へ配布してください。
②アメやガムを含め、館内での飲食はできません。持込みもご遠慮いただきます。
③弁当や水筒、大きな荷物は、バスや車で管理するなど工夫をお願いいたします。ペットボトルはカバンにおしまいください。
④展示室への傘や大きなお荷物の持ち込みはできません。正面玄関の傘立てやコインロッカーをご利用ください。
⑤展示物には手を触れないようお願いします。
⑥展示室内はえんぴつの利用をお願いします。シャーペン・ボールペンは禁止しております。
⑦大声や走り回るなど鑑賞の妨げになるような行為は禁止しています。小さなお子様にはお気を付けください。また、携帯電話のご利用もお控えください。
⑧常設展(一部の収蔵品)と企画展の作品の撮影は禁止しております。企画展の内容によっては、撮影できる場合もございます。ご希望の際は監視員又は受付に確認をお願いします。
IPMについて
当館は収蔵資料の適切な保存・管理と健康で快適な環境を確保するため、IPM(総合的病害虫管理)を導入しています。
*IPMとはカビや虫の発生する環境を作らない、外部からの害虫の侵入を防ぐ、発生してしまった場合はなるべく科学的手法を使わないよう対処していく方法のことです。
バリアフリー情報
介助を必要とするみなさまへ
優先者専用駐車スペースがございます。ご来館の前に当美術館にお問い合わせ下さい。
車椅子がご利用になれます。受け付けにてお申し付け下さい(無料)。
無料で入館できます(障害手帳または障害を証明する書類等の掲示をお願いします)。
※介添えの方も無料で入館できます(介添えに必要な人数に限ります)。
障がい者用個室トイレは「喫茶店花うるし」側と、美術館内トイレの2箇所にあります。
そのほか、ご要望・お問い合わせなどございましたら受付までご連絡下さい。
小さなお子様連れのお客様へ
ベビーカーがご利用になれます。受付にてお申し付け下さい(無料)。
授乳の際は受付にてお申し付け下さい。
おむつの交換台は美術館内の障がい者用個室トイレにあります。
そのほか、ご要望・お問い合わせなどございましたら受付までご連絡下さい。
企画展示室貸出
美術館では展示室の3室と講堂、エントランスホールを貸出しており、一日当たりの使用料は下記のとおりとなっています。
企画展示室1 全日 6,000円
企画展示室2 全日 6,000円
企画展示室3 全日 12,000円
講堂(午前9時半~午後1時) 2,000円
講堂(午後1時~午後5時) 2,000円
講堂 全日 4,000円
エントランスホール(午前9時半~午後1時) 40円
エントランスホール(午後1時~午後5時) 40円
エントランスホール 全日 80円
※エントランスホール使用料は1平方メートル当たり
・観覧料等を徴収する場合は3倍の使用料になります。
・使用料金は上記の金額に使用日数(含む展示・撤収日)をかけて計算します。
・利用は美術関係の内容とし、花など生物を使用したものは展示できません。
・利用手続きにつきまして、前もって美術館までお問合せください。
※令和5年4月1日より企画展示室等の貸出に伴う利用料金は下記のとおりとなります。
企画展示室1 全日 6,000円 1時間当たり 750円
企画展示室2 全日 6,000円 1時間当たり 750円
企画展示室3 全日 12,000円 1時間当たり 1,500円
展示廊下壁 全日 1,080円 1時間当たり 140円
講堂 全日 4,000円 1時間当たり 500円
エントランスホール 全日 80円 1時間当たり 10円
※エントランス利用料金は1平方メートル当たり
・必要があると認めた場合、開館時間を超えて利用することが可能です。
その場合は上記1時間当たりの額が1時間当たりの金額として適用されます(1時間未満の場合も1時間として計上します)。
・使用料金は上記の金額に使用日数(含む展示・撤収日)をかけて計算します。
・利用は美術関係の内容とし、花など生物を使用したものは展示できません。
・利用手続きにつきまして、前もって美術館までお問合せください。
実習室等貸出
実習室は、事前に登録された団体(サークル等)の利用を原則として貸出しています(ピロティを除く)。一日あたりの使用料は下記のとおりです。
実習室1 全日 800円
実習室2 全日 2,000円
実習室4 全日 1,000円
ピロティ 全日 2,000円(団体登録は不要です)
※冷房使用料は別途徴収します。
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