記事番号: 1-10298
公開日 2024年05月27日
多様性を尊重した職場環境の整備について
お話を伺ったみなさん。左から、営業部 岡本桂一 部長、ルート営業部 角間剛 次長(京都本社所属)、営業事務 森山珠里さん。
グループで取組んでいる性の多様性関連の取組みについて
岡本部長) 取り組みの方針や内容については、全国各地の拠点や営業所などの各部署の声を拾って、グループのトップが集まる会議で話し合って決定しています。チェリオグループが協賛するレインボープライド、レインボーパレードへの参加とともに、LGBTQ+の当事者による講演会を社員旅行や全グループの社員が集まる機会に定期的に開催しています。これまで個人的にはまったく分からないことが多かったですが、研修の受講や会社での活動を通して自然と意識も高まっています。
グループ全体では、ハラスメントについて、3年ぐらい前から性的マイノリティの人を受け入れるよう、就業規則を改定して取組んでいます。
角間次長) わが社では、婚姻に準じた共同生活を営む同性カップルを対象に、婚姻に関する社内制度を受けられるよう、同性パートナーシップ制度を導入しています。
また、対外的に自社の取組みをPRするために、LGBTQ+の方々への理解を示すデザインの名刺も作成しています。
レインボーイベントへの参加や研修を通して、社員の意識が変化
岡本部長)取り組みに参加する前は、性の多様性については否定しないけれども、「興味がない」「よくわからない」という感じでした。それが、会社での活動を通して、自然と意識が高まっていき、性的マイノリティの方を尊重した、皆が生きやすい社会づくりをしていこうという姿勢になっています。
角間次長)京都本社でも最初は年配の方は「なんやそれ」という感じの反応でしたが、活動を続ける中で、認知が広まっていると思います。私も、取り組みを通して意識が変わっていきました。
森山さん)まわりに性的マイノリティの方がいなかったのもあって、自分が社会に出て関わることはないだろうと思っていました。しかし、レズビアンの友人ができ、その人たちの話を聞いて、身近にいるのだと気づきました。また、性的マイノリティのみなさんは、トイレの利用や、結婚など、私たちが当たり前だと思っていることで悩んでいるということも知りました。
多様性の尊重に関する商品開発について
自動販売機を活用して自社の取り組みをPR
岡本部長) 当社の性の多様性の尊重に関する取組みの認知度を広げるため、自社商品の天然水ペットボトルに独自のパッケージデザインを施して販売しています。さらに、レインボープライドに取組んでいることを飲料自動販売機の下部にポスターを貼り付けています。
加えて、取り組みにご賛同いただいているオーナー様を中心に全国各地で、『のんでCHANGE!』応援型自動販売機を設置しております。こちらは、飲料を購入していただくと、売り上げの一部が国内のLGBTQ+関連の活動の応援に充てられる仕組みになっています。
これらの取り組みの結果、LGBTQ+の普及啓発に取組んでいる方から、「コラボしませんか?」と、声をかけてもらうこともありました。それを足がかりに、もっと認知度が高まり、波及的な取組みに繋がっていく効果が期待されます。
飲料の自動販売機が貴重な広告媒体ですので、しっかり有効活用して、 LGBTQ+ への理解増進の取り組みを当社が積極的に行っていることの認知度をさらに高めていきたいと思います。
(写真)天然水ペットボトルは、”1人ひとりの個性を尊重する社会の実現”への思いを込めたレインボーデザインのボトルとして、令和5年4月よりパッケージをリニューアルした。
だれでも(みんなの)トイレの設置について
角間次長) 2019年にグループ本社を京都へ移転した際に、関連業者の方も含め、性別、年齢、ハンディキャップなどを一切気にせず、誰でも入れるようなトイレを配置しました。トイレの扉には、男性・女性、それにレインボー柄のピクトグラムが掲げられています。
(写真)本社の性別を問わないトイレの表示。
女性社員の雇用について
「力仕事だから」という先入観に捉われないことの大切さ
岡本部長・角間次長) 当社は業種的に体力がいる仕事がら、やはり男性の比率の方が高い職場となっていますが、チェリオ・グループ(㈱チェリオコーポレーション、㈱チェリオ中部、㈱チェリオ沖縄、㈱チェリオジャパン)には、関西地区に、主に自動販売機への商品の補充などを行う、ルートセールスマンとして女性を配置しています。それは社員にとって、仕事面でもすごく刺激になっています。
仕事上、女性では厳しいという見方もまだあるかとは思いますが、当社で同じ仕事をする女性社員がいることで、今後女性がもっと増えて、男女を問わず働きやすい職場環境に繋がれば良いなと思います。
あるルートセールスマンの女性社員は、自動販売機をきれいにするとか、細かいところへ気を遣ってくれています。そうした意味でも、社員の個性が人それぞれ違うし、いろいろな視点を持っているのだなと感じます。女性が力仕事となると、正直な話、初めは体力が持つのかと思っていましたが、しっかり働いてくれて、今では入ってくれて良かったと思います。私が入社した時は、社員の構成が男性9割、女性1割でしたが、現在は、女性の割合も増えてきています。
森山さん) 現状は男性が多いので、もどかしさを感じる部分もありますが、多様性を尊重する精神を発信する取り組みをグループで続けているのもあって、「受け入れてくれるのかな?」と感じてもらえるのではないかと思います。私はお客様と接する仕事ではなく、社員のサポート役のような裏方ですが、社員が営業から帰ってきて「今日こんなことがあった」というようなエピソードを話してくれる機会があったり、社員の働き方について助言やサポートをしてそれが活かされた時に、お客様にそれが還元されると考えると、十分にやりがいがありますね。
今後の取組み(チャレンジ)について
チェリオ・グループの自社シンボルマーク、 CHANGE WITH チェリオとは
岡本部長) 当初は、“Change it for ”(今までには無い、そのために頑張ろう)でした。時代の変化と共に、 Change with ”(お互いのアイデンティティとパートナーシップの選択を尊重する社会の実現を目指す)に変わりました。社員に対しても、お客様に向けても同じ気持ちを含めたメッセージを表しています。多様性を尊重する活動がこれからの社会で広まっていくように、当社としても一緒に取組んで貢献できたらと思います。
今後は、 LGBTQ+等の関連イベントへ積極的に参加し、いろいろなことを自分から進んでチャレンジしたいと思います。
また、社員は22 歳から 70 歳まで幅広い年代の方が働いていますが、すべて若い人と同じように動くことは絶対無理だろうし、その人の個性も含めネガティブに捉えるのでなはく、ポジティブに捉えていくことが重要だと考えます。
今回、浦添市の「働きやすい職場づくり」に関連するインタビューを受けて、改めて会社で日常的に社員が取組んでいることが、結果的に自分たちに還元されているのだと認識させて頂きました。
会社概要
名称:株式会社チェリオ沖縄
設立:1973年5月
従業員数:29名(令和5年1月)
代表者:代表取締役社長 菅大介
業務内容:清涼飲料水の製造・販売