記事番号: 1-11896
公開日 2024年03月07日
働きやすい職場づくりに関する取組みを実施するプロセスについてお伺いします。
まず、ビルメンテナンス業の職種は、中々人が集まらない仕事です。働く方々の環境を良くしていく事は、ずっと課題としてあります。
人材の多様性に関しては、会社として受け入れる方針です。しかし、オーナー様の意向もあり、全てを行うことは難しい状況ですが、実現できるよう努めています。
そのためにも、従業員の意識も変えていかないといけない。それが根底にあり、多様な方が働きやすい職場としてどの様に作っていくか、社内で取り組んでいます。
経営企画部 部長 石川樹洋さん
働きやすい職場の環境づくりのために、最初に取り組んだこと
最初に経営層の意識改革のための研修を実施しました。その後は、現場の方たちにも多様な人材がいる職場環境について、いかに社員全員の意識を変えていくのかが重大なポイントになります。取り組みを始めた当初は、子育て中の方々と現場で働く、という点だけでも、「子どものことで急に休んでしまうと他の従業員に負担がかかる。」などの理由から、抵抗がありました。しかし、会社として様々な課題に直面している中で、多様性を受け入れていかないと、我々の会社は立ち行かないということを話しています。
障がいを持つ方の雇用についても、「我々が、障がいを持つ社員が働けるようにサポートしないといけない。」ということを話し合った上で、採用という形に繋げています。
社内規制・ルールだから何か行動しなければと言うのではなく、同じ働く仲間としての意識を持って、働きやすい職場環境を築いていくことが肝要だと思います。従業員ひとりひとりの価値観が違い、個性もあります。障がいを持つ方もいますが、お互いに壁を作らない意識が大切と考えます 。
「多様性を尊重した」職場環境の整備についてお伺いします。
性の多様性の尊重に関連した取り組み
コロナ禍において、性の多様性の尊重に関連したセミナーをオンライン配信で開催しました。
受講してみて、非常に理解が深まったと思います。例えば、「彼氏・彼女」という言い方ではなくて、「お付き合いしている人」、「パートナー」という言い方に変換した方が良いのではないか、という意識の変化がありました。この様に言葉選びひとつにも、意識を向けるようになりました。
また、LGBTQ (※)への理解は、若ければ若いほどあり、驚きました。新入社員研修の中で「そういう授業あったの?」と聞くと、「学校でありました」という話も聞きましたし、何の抵抗もないです。私たちもそこに理解を合わせていく必要があるのかなと、若い子が入社した際には、そういう気づきもありました。
※LGBTQ:レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシャル(B)、トランスジェンダー(T)、クエスチョニングもしくはクィア(Q)の、性的少数者を表す単語の頭文字を合わせた用語。
従業員への声かけ~「気づいて」ではなく、自己開示へ~
我社では従業員の約9 割が中途採用で、様々な背景を持った方が入社します。
現場の責任者には、受け入れるのは最初からは難しいかもしれないけれど、話を受けとめるところから始めることがコミュニケーションだという話をしています。
一方で、入社する側の自己開示も大事だと思います。「妊娠をしました、予定日はいつです」、「もしかしたら今後心配をおかけします。」と言うように、その事情を知っていれば、周りが出来る事と出来ない事を判断できます。理解や協力をして欲しいときは、「協力して欲しい。」と伝える。この様なことが皆さん一人ひとりの働きやすさ、理解度にも繋がると思います。
これが良いコミュニケーションの連鎖だと思います。「気付いて。」ではなく、「自己開示しましょう。」という話を、新入社員、ほかの従業員にも伝えています。
言語や慣習の異なる外国人技能実習生の受け入れにあたって、意識していること
現場の責任者が「日本はこういう文化があってね。」という話から、「だからこうして欲しいんだよ。」と説明して、納得や理解してもらえるまで話をしています。
また、今年度も「20 歳を祝う会」を予定していますが、外国人技能実習生のみなさんには、日本の文化紹介や、どうして 20 歳になるとお祝いをするのか、という説明をしています。こうしたコミュニケーションを通して、より日本になじみやすくなるでしょうし、日本を好きになってもらえるかなという期待もあります。
ハラスメント防止のための取り組み
ハラスメントに関するルールを策定し、全従業員に周知しています。ハラスメントというテーマの研修はまだ実施していませんが、現場責任者の研修の中で、上司・部下の関係性がある中で、注意すべきところははっきりと伝える。また、人は褒められるとモチベーションが高まり、パフォーマンスが良くなることを伝えています。今後は、ハラスメントに関する研修も実施してまいります。
クレド( Credo )の作成
クレド(Credo)(※)には、昭和 48 年に沖縄ダイケンを設立した際の、設立趣意書の言葉が書かれています。また、社訓的な指標、我々の経営ビジョン、安全スローガンを記載しています。
一昨年、ブランディングプロジェクトを立ち上げ、「ダイケンブランド」を明文化しました。クレドにまとめ、常に身に着け、いつでも見返せるようになっています。
そして、社員が会社を今後どのように経営・運営していくのか、このクレド中に掲げています。
※クレド(credo):ラテン語で志・約束・信条を意味する言葉。ここでは、企業の従業員全体で心がける信条や行動指針を指します。
今後の展望
現在SDGs という取り組みがありますが、我社もブランディングに取り組み、「誰一人取り残さない人材育成」を掲げて、一人ひとりに寄り添い、みんなが輝けるように、サポート出来るようにしていきたいと思います。
☆社員へインタビュー☆
経営企画課 主任 玉城彩夏さん
普段はどのような業務を担当されていますか?
従業員が活き活きと輝くための教育支援、例えば新入社員研修、昇進された方を対象にした役職者研修、指導職研修に取り組んでいます。
仕事でやりがいを感じるところを教えてください。
私たちは、新入社員として高校を卒業した子たちを迎え入れていますが、その子たちが2年後・3年後、再会した時に現場の中心となって頑張っている姿を見るとすごく嬉しく思います。
また、指導する役職を持った方に対して研修を実施した時に、「今回の研修は、すぐにでも現場で活用できそうだ。」とか、「こんな気づきをもらいました、ありがとう。」等、そういう声を聞くと、社員の皆さんに役立っている実感を得ることができ、そこがすごくやりがいを感じられるところです。
職場での働きやすさのポイントはどこですか?
妊娠中でも、その時々の体調に見合った仕事配分や、「今は自分の体だけを優先して。」と声掛けをしてくれ、すごく救われたと思いました。そういうケアをしてくれる、関係性が会社にあることは心強く思っています。
誰もが働きやすい職場づくりへ、ご自身で心掛けていることはありますか?
ある研修で、「ありがとう」とか、「助かるよ」と声掛けをする「言葉をプレゼントする」という考え方を学び、これを実践して、コミュニケーションが大変取りやすくなりました。
心の中だけで思うことを言葉にすることで多くを伝えられるように、これからも心がけていきたいと思っています。
それでは、今後の仕事に対する意気込みをお願いします。
子どもたちが、私の働く姿を見て、「自分も活き活きと働きたいな」と感じてくれたら嬉しいです。
誰かの役に立っている姿を見せて、働くことに前向きになれる子供たちが増えればいいなと思っています。
働きやすい職場づくりに関して、研修担当としての 展望をお願いします。
わが社で働く障がいを持った社員で、 アビリンピック競技大会に初めて出場した選手がいます 。出場した経験 により 、その後の仕事への自信に繋がったと思います。
わが社は、特別な人だけが輝ける会社というよりも、全員にスポットライトが当たりやすい会社だと思います。そのための環境が用意されていると、その従業員の話を聞いて思いました。
この取組みを、会社への人材の定着、従業員のやりがいにも活かす事が出来たら嬉しく思います。
代表者メッセージ
弊社は昭和48年創業以来、一貫して観光関連施設や流通施設及び官公庁等の清掃管理・設備保守管理・警備保安・ホテル客室清掃整備等の各種サービス業務を主体とした、「ビルメンテナンス事業」を中核に「エンジニアリング事業」及び「指定管理事業」を沖縄県内全域で積極果敢に推進してまいりました。
丸橋博行創業者が示された「設立趣意書」及び「指標」の趣旨に沿い、一人ひとりが何事にも真摯に向き合い、現場で働く仲間と共に全役職員が一丸となり「高品質と高効率」を目指し、経営環境の改善を推進してまいりました。
誰一人取り残さない『人材育成』と、一人ひとりが仲間と共に『夢と希望』を描く企業をこれからも目指します。
株式会社沖縄ダイケン 代表取締役社長 山盛博文
会社概要
・名称:株式会社 沖縄ダイケン
・創立:昭和48年1月10日
・従業員数:約1,700名(令和5年3月)
・代表取締役社長 山盛博文
・業務内容:清掃・客室・施設・警備業務、エンジニアリング、指定管理者、サービス