記事番号: 1-3613
公開日 1900年01月01日
地域の個性(産業構造など)を把握する場合において、さまざまな手法がありますが、各業種における事業所数や従業員数などのデータを用いることで、その輪郭が浮き上がってくることがあります。
今回は経済センサスの統計データなどを活用して浦添市の個性をみてみることにしましょう。ここでは沖縄県全体の産業構造をベース(基準=1)として、浦添市のそれと比べることで相対的な個性を把握すべく、「特化係数」を用いることにします。見方としては、図表1で各A〜R業種において1を超えている場合に、浦添市での当該業種が特化していると言え、つまり沖縄県全体の構造と比べて相対的に多いことを示しています。大分類で浦添市の現状をみると、「F電気・ガス・熱供給・水道業」が従業員数および事業所数の両方で突出しており、その他にで「G情報通信業」や「L学習研究など」の業種に特化していることがわかります。
図表1:事業所数などからみた浦添市の産業構造 (平成24年)
さらに細かいデータをみると、事業所数ベースでは、非鉄金属や情報通信機械器具などを含む「製造業」、各種卸売などを含む「商業(卸売業・小売業)」、情報サービス業を含む「情報通信業」などに特化し、従業員数ベースでは、電気業を含む「電気・ガスなど業」や各種卸売などを含む「商業(卸売業・小売業)」などに特化していることがわかります。
このように、事業所数などのデータを用いると、浦添市内では沖縄全体の構造と比べると経済活動の主力として「製造業」や「商業」、「情報通信業」などが挙げられ、雇用の受け皿としては、「電気・ガス等の業種」や「商業(主に卸売の方)」などが相対的に多いことを示しています。
図表2:事業所数などからみた浦添市の産業構造・詳細 (平成24年)
図表3:特化係数ランキング・詳細 (平成24年)
一体、それぞれ特化している業種は、市内のどのエリアに分布しているのでしょうか。経済センサスでは集落毎のデータも公表しており、それらを活用することでこのような疑問が解消されます。図表4をみると、特化ランキングで上位にあった「製造業」や「商業(主に卸売業)」などは「牧港エリア」に立地していることがわかります。データの制約上、各集落における業種の詳細(業種名や企業名等)まで把握することはできませんが、用途に応じて浦添市内での大まかな業種体までなら、その分布を知ることができます。
図表4:集落別における商業・製造業の事業所数 (平成24年)
経済センサスでは、都道府県から市区町村レベルまでなら事業所数や従業員数のデータが、詳細に公表されており、それぞれの個性(産業構造など)をうかがい知ることができます。また、一部制約があるものの、丁目などの集落サイズにおいても大まかな業種体であれば、その現状を把握することができますので、地域の個性や魅力を把握する際には参考にしてみてはいかがでしょうか。当該データは、空き店舗検索サイトにも格納しておりますのでご活用ください。