記事番号: 1-6711
公開日 1900年01月01日
本コラムの初回は、他市町村と比較しながらさまざまなデータを用いることで浦添市を概観しつつ、全体的なマーケットを読み解く場合に重要なファクターとなる世帯についてもふれたいと思います。
浦添市の将来推計人口について
浦添市は、人口11万人余、4万世帯余の地域となっています。国勢調査(2010年)をベースとした浦添市の将来推計人口をみると2030年頃まで増加すると予想されており、県内では人口増加の続く地域の一つとなっています。ちなみに、沖縄県全体では2020か25年頃まで増加し、その後に減少に転じると推計されています。グラフが示すとおり、年々15歳未満の若年層の割合が低下し、65歳以上のシニア層が上昇していることがわかります。全国や沖縄全体と同様にシニア層の割合が上昇する傾向にあることがわかります。
各市町村のGDPと就職者数について
次に、地域(域内)の経済規模を示す市町村のGDPをみてみましょう。県内では2番目に大きな地域となっていることがわかります(2014年時点)。また、県内での就業者数(就業地ベース)のランキングをみると、経済規模と同様に県内2位となっており、内訳では、「卸売・小売」のウエイトが高く、続いて「医療福祉」、「建設業」などとなっています。
浦添市は、数多くの産業が立地しており、今後の西海岸開発の推進などにより国際流通港湾や国際海洋リゾート港湾などとしてのポテンシャルを秘めた地域でもあります。さらに、文化・芸能などに関して、浦添城跡や伊祖城跡、浦添グスクようどれ館に加えて、美術館や国立劇場おきなわ等の施設もあることから、近年の好調な観光需要を取り込むための資源もあり、官民、地域住民での今後の展開が期待されます。
浦添市の一人あたり市町村民所得
ここからは、浦添市に居住者に関するデータをみてみましょう。浦添市内の居住者ベースとなる一人あたり市町村民所得をみると、県内では10番目となっています。上位には、南北大東村や嘉手納町などにランクインしています。
浦添市内の居住世帯について
地域内での世帯動態については、商圏をみる場合にさまざまなヒントを与えてくれます。浦添市における居住世帯について、国勢調査(2010)を用いて整理していきましょう。まず、持ち家世帯ランキングをみると、1位が「字城間」となっており、2位が牧港3丁目、3位が港川2丁目と続いています。アパートなどの借家世帯が多いのは、1位が「字仲間」となり、2位が「当山3丁目」、3位が「仲西2丁目」と続いています。
まとめ
このように、商圏の魅力を整理する際、居住サイドからみると、各区町丁において、一般購買者としての「居住者」や「世帯」などの形態、近隣に立地する「事業所数」などの法人需要などの環境で異なってくることが考えられます。また、近年の好調な観光需要などにより、マーケットニーズが多様化する中、それら需要を当該地域でどのようにキャッチしていくのか、周辺市町村と比較した場合の強みを整理する(相対的な視点)必要となってきます。