地域資源を活用し、昔ながらの手法と新しい工夫を組み合わせた地域ブランド事業(うらそえ織協同組合:親富祖幸子 氏)

記事番号: 1-1758

公開日 1900年01月01日

 

 次年度の販売戦略(2月)

・年間計画について。(1年間の生産・販売戦略の立案。)
・サンシルク(浦添市養蚕絹織物施設)の活用方法について意見交換。
・販売会ブースの情報提供。
・作業効率を上げるため、現状を把握・理解し、うらそえ織様の求める理想的な環境に近づけるよう関係機関への問い合わせ確認などの支援サポート。
 

 マーケティング支援(1月)

新開発商品と次年度かりゆしウエアの値付方法など、商談について、専門家よりアドバイスを受けました。取引先と、お互いに最大利益を得られるよう、想定される商談をシミュレーションし、方針を決めていきました。また、浦添市役所で開催した「理事会」へ出席し、今期業績の確認:理事全員で数字を確認する際に表の見方をアドバイスしました。コスト意識、売上目標に対する達成意欲について、「出来るんだ」という前向きな意識へ変わりつつあります。

 「商品を見やすい・購入しやすい」売り場作りへ(12月)

浦添市役所1階ロビーにおける販売会開催にあたり、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)のアドバイスを行う。
テーブルカウンターの配置をL字型から一文字型へ変更し、展示兼接客間口を広げ、商品ディスプレイ、集客看板、市役所来訪者の導線を想定した看板設置などを改善したおかげで、売上も良かったとの事。
課題として、横断幕の必要性、テーブルクロスの下部の使い方などを指摘提案した。

 糸挽き見学会(サンシルク)(11月)

サンシルク1階の工場を見学。蚕の幼虫2万頭(2週目)が元気に桑の葉を食べている。2階では、蚕の繭から絹織物が出来るまでを実演しており、非常に興味深い生産工程を見せていただいた。これは情報発信に大きく貢献できるコンテンツであるという印象を受けた。今後この発信方法を検討したい。
テナントでは、視察を機に出来上がった新作のかりゆしウェアや、ポーチ、キーホルダーなどを展示しており、これまでに無く明るい店内になっている。また、委託取引先へのヒヤリング方法を一緒に検討し実践してもらったところ、それぞれの要望を聞き取ることができた。ヒヤリング結果をもとに商品展開(かりゆしウエア)を進めている。雑貨小物の新商品は、委託先から受注を頂いたものある。課題は集客、周知、様々あるが、情報発信力が弱い。組合メンバーの意識が営業に向いていないのは大きな課題である。

 新商品開発で見つめ直す商品の価値(10月)

10月25日 新商品開発:試作品の評価ワンタッチポーチ、ひも付きポーチ、ヘアーアクセサリー、小銭入れ等数点の新商品への価格設定を行った。
理事の中には、「百円均一の商品と比較されたら勝てない」との意見もあったが、そもそも百円均一の商品と勝負する発想などあり得ないし、わが社の商品は、「手織り」を理解していただける人に売ればよいし、見せ方も、単品を棚に並べてもダメで、コーディネートやセット販売しないと売れない。利益を取れないならやらない方が良い。何度も言うが、商売を考えて欲しい。と、説明。
かりゆしウエアの試作品が11月5日(2万円代)に出来上がる。その価格設定も同様な考え方でしっかり利益が取れる価格で勝負すること。仕事の優先順位の判断を誤らないよう指導。かりゆしウェアは来期の売上に直結する。今この営業時期(チャンス)を逃すと完全に出遅れ、価格決定権が無くなるし、せっかく東京まで行ったことが意味をなさなくなる。補助事業申請書に描いた「意義」を、思い返していただきたい。と指摘。

 視察研修で得た大きな成果(9月)

9月7日~8日 補助金の交付決定を受け、マーケティングの専門家の案内で東京銀座わしたショップにてバイヤーとの意見交換及び来季の新製品の企画会議。ROOMS視察、ギフトショー視察。想定していた以上の成果があった。帰任後の視察報告会で全員のモチベーションが上がり、9月10日に開催された島桑フェア(サンエー経塚シティ)では、全員参加でイベントを盛り上げたと報告を受けた。また、このタイミングで、池村氏が沖縄タイムスに「浦添織り」の視察研修記事を載せてくれたことで、フェアへの来客も更に増えたとの事。
9月21日 フォロー会議では、商品開発に加え、組織として機能していくための各自の役割分担を話し合った。理事長が総務経理までを担うのではなく、経営トップの本来の仕事「営業」に注力できる環境整備(役割分担)が必要と指摘。会員からは、即座に仕事を引き取る申し出が出るなど、生産意欲・モチベーションアップが感じ取れた。
9月21日「地域資源」登録申請期限。無事に浦添市から「地域資源」として沖縄県へ申請手続き完了。認定を受ければ、その後は経済産業省の支援策へのエントリーを視野に、晴れて“地域資源”登録された「浦添織り」を活用した新商品開発となり、販路開拓支援が受けやすくなる。

 販路開拓(7月)

商品開発セミナーと連動して開催する販路開拓セミナーへも引き続き参加してもらい、マーケティングスキルの向上、市場調査の大切さを学んでいただいた。
さらに、専門家の紹介で、県内で活躍するクリエイターとの意見交換、同じく県内で業績を伸ばす注目のオリジナルTシャツメーカーを訪問、工場視察し、Tシャツの試作に向けた具体的な提案をもらうなど、意見交換を行ないました。
また、新商品の販路開拓の一環として、県外販路の市場調査を行うことを決めました。
東京銀座にある沖縄県のアンテナショップ「銀座わしたショップ」で、実際にうらそえ織を店頭で扱う担当者との意見交換、国内トップクラスのアパレル系展示会「ルームス」の視察・情報収集を行い、「売れる商品づくり」に役立てるため、本事業の補助金を活用する方向で、8月の会議で正式に決定することとした。

 目標設定(6月)

支援開始当初より、商品開発力、営業力の強化を課題に取組もうと話してきました。
浦添市が6月3日から開催する商品開発セミナーで商品開発の知識の習得及び新商品開発を目指しました。
その後セミナー講師を務めた専門家を個別支援の中で派遣し、具体的な企画開発と販売戦略構築に移行しています。
その結果、今後の方針として、長期目標として沖縄県の伝統工芸品認定を目指す一方、短期目標としては、「うらそえ織」を知ってもらう活動と売上高の底上げを連動させた商品開発を行うこととしました。
具体的には、これまではうらそえ織が出来るまでを図解した説明資料を施設内に掲示したりパンフレットを製作したりしていたが、事業の意義や商品の特徴を、子供にも親しんでもらえるようなデザインをあしらったTシャツ等を企画するなど、これまでには無かった、一般の方に手に取ってもらえる商品開発を検討している。

 課題の把握(5/17)

うらそえ織は、浦添市伊奈武瀬(いなんせ)にある「浦添市養蚕絹織物施設サン・シルク」を拠点に生産されています。
蚕の繭から糸を挽くところから、織子が全て手作業で織り上げるため、そのやさしい風合い、シルク特有の光沢と繊細さが人気の浦添市地産の絹織物製品で、「てだこレディ」の制服や、市内企業の制服にも採用されています。
県内の伝統工芸品等を取扱うモノづくり企業の経営環境は厳しく、資金面・人材面等、多くの課題を抱えています。
うらそえ織も、これらの課題を解決するために織物業界や県内デパート・連携企業・支援機関・地域の皆様など多方面からの応援・協力を得て、平成29年5月 うらそえ織協同組合設立となりました。
事業計画には、生産性・収益性の面で課題があるものの、視点を変えて見ると、人がいる、場所がある、モノがあるなど、強みとして活かせる経営資本を持っていると思われました。組合員の皆様には、組合員であると同時に経営者の一人という自覚を促すとともに、伝統工芸にこだわらず、自由な発想で商品開発をしていく事が必要。とアドバイスしました。
また、売上増強のためには営業力強化が必須であり、営業戦略構築・体制強化が、今後の支援の中で重要と伝えました。

この記事に関するお問い合わせ

経済文化局 産業振興課
郵便番号:901-2501
住所:沖縄県浦添市安波茶一丁目1番1号本庁5階
TEL:098-876-1245
FAX:098-876-9467
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