記事番号: 1-1304
公開日 1900年01月01日
my sweet box Grin オーナー 眞喜屋実之(まきや・じつゆき)
1986年、那覇市首里繁多川で生まれた眞喜屋実之さんは、幼いころから「モノづくり」が大好きな少年。高校を卒業するころには、手軽に形にできるお菓子の魅力に惹かれるようになったといいます。沖縄から出てみたい気持ちもあり、長崎短期大学 食物科・製菓コースへと進学。その後、佐賀県の洋菓子店で9年間修行を積みました。30才を機に自分のお店を持ちたいと2016年4月に帰沖。同年12月に浦添市西原に洋菓子店「my sweet box Grin」をオープンしました。「Grin」とは英語で、歯を見せてワハハと笑うという意味。おやつ感覚で地元のひとに気軽に愛されるお菓子づくりを目指して、眞喜屋さんはオーナーシェフとしての新しい一歩を踏みだしました。
僕はできないことは公言しないタイプだけど、30才までにお店を持つっていう話はしてて、まわりに後押しされました!
浦添市西原でお店をオープンした理由は
僕は那覇市出身なので、最初は那覇商工会議所で起業セミナーに参加しました。その時はお店の場所が具体的に決まっていなかったのですが、商工会の方が自宅からも近い浦添市を勧めてくれたのがきっかけです。浦添市内でいい物件が見つかったところで、「スタートアップ浦添」の個別相談で、公庫からお金を借りるための手順や浦添市の補助金制度のことなど、より具体的な資金面でのアドバイスをいただきました。
浦添市内にはスイーツ店が多いですが、心配はありませんでしたか
そうなんですよ、物件探しには一番苦労しました(苦笑)。浦添市内のお店をいろいろ調べてみたら、だいたい300m間隔であちこちにスイーツ店があるんですね。不動産屋さんと親しくなって、空きや空き予定の店舗が出たらすぐに見に行きました。うちの店がある西原エリアはまだ、まわりに洋菓子店が少ないほう。この物件に巡り合ったからこそ、浦添市内でこうしてケーキづくりができると言ってもいいくらいです(笑)。
お店をオープンするまでの流れや資金繰りは
4月に沖縄に戻ってセミナーなどを受けていたのですが、9月くらいからが追い込み。10月に物件を契約して、公庫からの融資が下りたのが11月、お店をオープンしたのが12月でした。最初の設備投資や家賃、内装などで創業資金は1,500万円ほど。自分の積み立てや親からの援助を差し引いても、1,000万円ほど必要だったので、公庫の審査が通らなかったどうしようとハラハラしました。今までは雇われていたので、借り入れをはじめ、店の経営については知らないことばかりでした。自分で相談できる場所を調べて、あちこちに出向いてアドバイスをもらいました。
念願のオーナーシェフとなった今のお気持ちは
予想していなかったハードルがいっぱい出てきて、今はまだ起業って大変だなという思いが大きいかな(笑)。僕はふだん、できるかわからないことは公言しないタイプなんです。でも30才までに自分の店を出すという話はしていたんですね。そのおかげでくじけずに頑張れたと思います。まわりのひとに後押ししてもらった部分が大きいですね。自分でお店を持つというのはやはり、緊張感がぜんぜん違いますが、ずっと裏方だったので、自分で考えた商品を店頭に並べて、それをお客さんが買いにきてくれるのは本当に嬉しいことです。
今後の目標を教えてください
ディスプレイやパッケージなどは任せられるスタッフがいますし、僕は宣伝広報などを含め、経営のことをもっと勉強していかなくてはと思っています。将来はウェディングなどもやってみたいですが、まずは地域のひとに愛されるお店づくりが目標。修行させてもらった9年間のなかで、小さな店がどんどん規模を広げていく様子を見てきたので、僕も5年後をめどに、もうすこし店を大きくしたいとも思うし…やりたいことがいっぱいあって、僕自身も店の今後が楽しみです(笑)。
ご自身の経験をもとに、みなさんへメッセージを!
お菓子づくりの経験は長年積んできましたが、いざ経営者になろうと動き始めると、起業について知らないことがたくさんありました。そんな時は、恥はかきすてだと腹をすえて、わからないことは詳しいひとに聞くのが一番! 僕自身もがんばりましたが、まわりのひとたちのつながりや後押しのおかげで、今があると感謝しています。起業セミナーを開催したり、個別相談にのってくれる機関もいろいろあります。スタッフやお客さんに助けられることも多々あります。みなさんもまわりをどんどん巻き込んで、ぜひ夢を現実にしてください。
企業紹介
my sweet box Grin(マイスイートボックス グリン)
事業内容:洋菓子(生菓子・焼き菓子)の製造販売
開業年:2016年
TEL:098-975-9750
住所:沖縄県浦添市西原6-8-2