記事番号: 1-11346
公開日 2021年06月30日
ガソリン携行缶はガソリンを運搬するための金属製の容器で、ホームセンターや自動車用品店などの実店舗、インターネット通信販売などで販売されています。ガソリンの貯蔵、取り扱い、運搬方法等については消防法令により規定されており、ガソリン携行缶以外のポリタンクなどにガソリンを入れて運搬することは禁止されています。そのため、刈払機や耕運機、発電機への給油等でガソリンを運搬する場合はガソリン携行缶を使用する必要があります。
【ガソリン携行缶とは】
最大容積は、消防法令により22Lと規定されており、小型のものでは1L以下のものもあるなど、大きさや形状はさまざまです。ただし、いずれのガソリン携行缶においても、消防法令に規定されている落下試験、気密試験、内圧試験、積み重ね試験で基準に適合している必要があります。
ガソリン携行缶の中にはエア調整ねじが付いているものがあり、キャップを外す前に圧力調整を行うことで、気化したガソリンにより上昇した内圧を下げ、ガソリンの噴出を防ぐことができます。
ガソリン携行缶には消防法令で定められた安全性能基準に適合していることを示す表示として、KHKマーク(注1)やUNマーク(注2)のいずれか一方、または両方が貼付されているものが多く見受けられます。
(注1)危険物保安技術協会の試験確認基準に適合した危険物運搬容器に表示されます。KHKマークの付された容器は、消防法令の試験基準に適合したものとみなされます。
(注2)危険物の国際輸送に関する国際勧告(UN規格)に適合した危険物運搬容器に表示されます。UNマークの付された容器は、消防法令の試験基準に適合したものとみなされます。
【保管中の温度変化の影響による事故の危険性】
・直射日光が当たる車内にガソリン携行缶を放置したところ、内容物の温度は60℃以上に上昇する事があります。
・ガソリンの入ったガソリン携行缶の内圧が上昇した状態でキャップを外すと、ガソリンが激しく噴出する事があります。
・ガソリン携行缶の内圧の変化が繰り返されると、亀裂が生じ、ガソリンが漏えいする可能性があります。
【消費者へのアドバイス】
・ガソリン携行缶を高温になる場所に保管すると内圧が上昇し、キャップを外す際にガソリンが噴出する危険性があります。直射日光が当たるなど、高温になる場所には保管しないようにしましょう。
・温度変化の大きい場所での保管を控えるとともに、こまめに圧力調整を行いましょう。
・ガソリンは危険物です。取り扱いや保管に十分注意し、必要以上のガソリンを保管しないようにしましょう。
【事業者への要望】
・ガソリンの入ったガソリン携行缶を温度変化の大きい場所に保管した場合の危険性について、取扱説明書等に記載し、注意喚起することを要望します。
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