上場株式等に係る配当所得の申告分離課税制度の創設

記事番号: 1-5805

公開日 2010年01月08日

上場株式等に係る配当所得の申告分離課税制度の創設

平成20年度税法改正により平成21年1月1日以後に支払われる上場株式等に係る配当所得について、申告する場合、納税義務者の選択により、総合課税と申告分離課税のいずれかを選択することが出来るようになりました。申告分離課税を選択する場合、上場株式等の譲渡損失との損益通算が可能となりました。
※「上場株式等に係る配当所得の申告分離選択課税の創設」における注意点は以下のとおりです。

1. 上場株式等の配当所得については源泉徴収(住民税においては特別徴収)のみで課税を終了させ申告しないこともできます。よってこの改正により納税義務者の選択は、
(1) 申告しない。(源泉徴収等で課税を終了させる。)
(2) 総合課税の中の配当所得として申告する。
(3) 申告分離課税として申告する。
の3通りの方法が選択できることになります。

※ただし、令和6年度からは、住民税での課税方式は所得税で選択した課税方式と統一されるため、所得税と住民税で異なる課税方式を選択することはできません。     

2. 申告分離課税として申告した場合には、以下のような取扱いになります。
(1) 配当所得の税率は3%で計算する。
(2) 配当控除は適用されない。
(3) 上場株式等の譲渡損失との間で損益通算を行うことが可能となります。

3. 複数ある上場株式等の配当所得について、一部は総合課税、残りは分離課税所得として分けて申告することはできません。上場株式等の配当所得合計額全体について総合課税か申告分離課税かを選択しなければなりません。

4. 平成22年度以後の課税において、同一年中又は過去3年以内に生じた上場株式等に係る譲渡損失と申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当との間で損益通算が可能となります。 
 

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