記事番号: 1-3265
公開日 2016年11月01日
浦添市表敬〜確認する「浦添」の絆
10月26日(水)の前夜祭を皮切りにスタートした「第6回世界のウチナーンチュ大会」。
今回も世界中から多くの浦添市出身者がこの地に集い、浦添市民との交流を行いました。
10月28日(金)は、浦添市出身のウチーナンチュを歓迎する、市主催イベントの日でした。当日は午前10時から海外から多くの“ウラシーンチュ”の皆さんが市役所を訪れ、市長、副市長、議長、副議長が表敬を受けました。
市からはウラシーンチュの皆さんに記念のハッピをプレゼント。参加された皆さんからも市に対し数多くの母国からのお土産が寄せられ、市長が代表してこれを受け取りました。
そして、市表敬の後、玄関前にて全員で記念撮影を行いました。
ウラシーふるさとバスツアーで「浦添」を知る
海外から久しぶりに浦添を訪れたウラシーンチュの皆さんを歓迎すべく企画された「ウラシーふるさとバスツアー」。
今回は首里に都が移る前の王都である「浦添」を 感じてもらい、かつて国王が普天間宮への参詣に使った中頭方西海道を体験してもらおうと、所縁のある史跡を訪ねました。
浦添ようどれ
最初に足を運んだのは、浦添ようどれです。
今回のバスツアーには「NPO法人うらおそい歴史ガイド」からガイド2名が同行し、国際交流員がその英語通訳を、南米研修生がスペイン語とポルトガル語の通訳をそれぞれ担当しまし た。彼らの丁寧なガイドにより、浦添や沖縄の歴史、今見ている風景の背後にあるかつてのウラシーや当時の王族の生き生きとした様子がとても分かりやすいという声をいただきまし た。
浦添ようどれでは、まず最初に「浦添ようどれ館」でレプリカを間近で見て、触れたりしながら沖縄の古い文化の解説に耳を傾けました。イスラム教・仏教・ラマ教が一 体となってデザインされた王の石厨子は、ガイドの説明によりそのデザインの由来と当時の琉球王国文化の国際性に驚き、石室自身が人力で掘られたものであるとの説明から、当時の王の権力を思い浮かべることができました。
浦添グスク
ようどれの次に足を運んだのが「浦添グスク」。往時の面影は戦争により失われてしまったものの、発掘作業の進む様子や広場から眺める景色を見ながら、この場所に「城」が築かれるべき理由を知り、遠くに見える 首里城の姿を見ながら、「浦添城の前の碑」に記された当時の宿道(しゅくみち)作りの様子に耳を傾けていました。
ガイドから「ようどれ〜浦添グスク」の詳しい話を伺い、ツアーはランチ休憩を取った後、中頭方西海道(なかがみほうせいかいどう)の行く先となる普天間宮へと向かいました。
普天間宮
普天間宮は琉球八社になるほど由緒ある神社で、向かう先のバスの中ガイドが説明した普天間宮に関する伝説や逸話、沖縄の信仰の話から、ウラシーンチュの皆さんも期待をもって訪れました。
まずは神社への参拝の作法を学び、初めて口や手を清めてみるなど、皆さんは母国では体験できないことに興味をもって触れていました。
その後、各々、本殿で参拝をした後、宮司により一行は本殿裏手にある洞穴へと案内され、普天間宮の由来や洞穴の様子、信仰における普天間宮の重要性について説明を受けました。
安波茶橋
普天間宮を後に、ツアーバスは自動車道を南下。車中では中城城跡やペリー提督来琉時の話や、当時の沖縄の地理的な重要性など、専門ガイドならではの豊富な知識による解説に、皆さんは聴き入っていました。
次に訪れたのは「安波茶橋」。綺麗に復元を終え当時の様子を再現した2つの石橋を前に、その造りの違いや沖縄の建築に対する考え方、この道を通って尚寧王が浦添グ スクへ通う様子を聞き、ウラシーンチュの皆さんはこの厳しい坂をカゴを担いで登ったことに驚いていました。
伊祖グスク
「伊祖グスク」は英祖王生誕の地。そこで「てだこ」の意味、英祖王のことを詠った古謡である「おもろ」の解説を過去のツアーに参加された経験のあるウラシーンチュの皆さんでも初めて聞いた方が多く、浦添の歴史の深さや国の成り立ち、英祖王という王様がいかに当時の民から慕われていたかを知りました。
なお、バスツアーが訪れた際は市民の方がゲートボールをされていましたが、ツアー訪問中はゲームを一時中断しウラシーンチュの皆さんにご配慮を頂きました。市民の皆さんのご理解とご協力に対し、深く感謝を申し上げるとともに、帰り際に頂いた拍手に一行はとても感激していました。
当山の石畳
伊祖グスクを離れ、バスツアーは「当山の石畳」を訪れましたが、残念ながら付近の落石工事を施工中であったため、下車しての見学はかないませんでした。
しかし、こんなこともあろうかとガイドは用意していた説明資料や写真を用い、車中にて石畳の様子や「馬ドゥケーラシ(馬も転ぶ)」と言われたほどの急勾配の造りを興味深く聴き入っていました。
浦添市美術館
最後に訪れたのは浦添市の誇る浦添市美術館。
館長や職員の皆さんがウラシーンチュの皆さんに対し常設展示の琉球漆器や市内からの出土品、かつての使われていた民具等を紹介。美しい琉球漆器に触れてみたほか、皆さんの親御さんが使っていたというシンメーナービなどの民具には強く関心を示し、亡くなられた親御さんや当時の暮らしがいかに沖縄と結びついていたかを職員の皆さんにも熱心に語りかけていました。