記事番号: 1-234
公開日 2009年03月12日
浦 添 市
平 和 都 市 宣 言
戦争の惨禍を防止し、恒久平和と安全を確立することは人類共通の願いである。
しかるに近年、世界各国においては、依然として軍備の拡大が続けられ、世界の平和に深刻な脅威をもたらしていることは、全人類等しく憂うるところである。
沖縄県は、第二次世界大戦において我が国唯一の地上戦が展開されたところであり、激しい攻防戦によって、多くの尊い人命を失ったばかりか、数々の文化遺産をはじめ一木一草にいたるまで焼きつくされてしまった。私たちは、浦添のこの地で二度とあのいまわしい戦争の惨禍を繰り返してはならない。
ユネスコ憲章前文では、「戦争は人の心の中で生れるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。」、「相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界の諸人民の間に疑惑と不信をおこした共通の原因であり、この疑惑と不信のために、諸人民の不一致があまりにもしばしば戦争となった。」として文化的相互理解の必要性を強調している。いうなれば、人、文化、教育、経済、技術など、あらゆる分野の国際交流を進め、相互理解と共存意識を高めることが平和の維持に最も必要なのである。
幸い我が浦添市には、かつての古琉球の時代において、中国をはじめ東南アジア諸国などとの貿易を介した国際交流の歴史的体験がある。
先人達のその気概は、私たちが誇りとするものであり、後世に継承するに値するかけがえのない遺産である。その上、アセアン諸国への技術協力を目的とする沖縄国際センターが立地するなど、国際性豊かな文化都市たるに最もふさわしい地域環境となってきた。
よって我が浦添市は、文化行政と国際交流を積極的に推進し、世界の人びとと手を携え、日本国憲法に掲げられた、恒久平和の確立と全人類の福祉の増進に貢献することを決意する。
ここに、浦添市が永遠に「平和都市」たることを表明し宣言する。
1986(昭和61)年3月12日
(浦添市役所 議会棟側の国旗・市旗掲揚台の右横に設置しています)