記事番号: 1-2880
公開日 2018年08月07日
ご意見
市民の一人として、保育職の給与について意見があります。「近隣市町村の動向を踏まえ、検討したい」とよく答弁されていますが、足の引っ張りあいでは、沖縄の保育行政は悪化の一途をたどる危機感から、他市町村の良い事例についていち市民として考察した。
6月市議会において、「浦添市立幼稚園教育職員の給与に関する条例」を適用するのではなく、「浦添市職員の給与に関する条例」を適用する考えがあることが明らかになりました。その理由として専任園長の役職ができるにあたり、昇級できるように、複数の級から成りたつ一般行政職と同様の表を適用したいとあげられていました。
認定こども園に移行するにあたり、保育士と幼稚園教諭の人事交流を踏まえ、市長部局である「こども未来部」に移行するためにもその方が都合が良いように思います。しかしながら、幼稚園教諭の給与から一般行政職にするにあたり、給料が下がるように思われる。
保育所長は4級(管理職手当はなし。)で最高38万程度、主任保育士は3級で35万程度となり、多くの保育士が3級止まりだと思われる。保育士手当が月3,000円だったと記憶しています。
一方で幼稚園教諭職は市議会でも言われていた通り、2級のみで40万程度まで給与があがる計算だったかと思います。
保育士は時間外勤務手当がでるが、幼稚園教諭は4%の教職調整額、副園長は特殊勤務手当として月5,000円が支給されていることだと思います。
保育職として統一する上で、低い方に合わせるのではなく、高い方に合わせる方が保育職のモチベーションにつながるのではないかと思われる。
また浦添市は保育職において臨時職員率が高く、公立保育所の保育士、公立幼稚園の学級担任の半分、特別支援及び預かり保育担当の全職員となっています。
また、定員適正化計画を理由に、正規雇用化ではなく臨時職員で雇い続ける予定であるのが、非常に遺憾ながら、浦添市の現状である。(民間保育園には正規雇用化で補助金を出すなどの取り組みはあるにはあるが・・・。)
これらを総合して、保育職の給与表の創設を提案する。
1級 講師・助保育教諭・臨時保育士
2級 保育士・保育教諭
3級 主任保育士・副園長
4級 園長・所長
参考までに:
幼保連携型認定こども園には、園長及び保育教諭を置かなければならない。
幼保連携型認定こども園には、前項に規定するもののほか、副園長、教頭、主幹保育教諭、指導保育教諭、主幹養護教諭、養護教諭、主幹栄養教諭、栄養教諭、事務職員、養護助教諭その他必要な職員を置くことができる。
彦根市(人口:112,914名)では助教諭が314,100円まで昇給、教諭が 440,800まで昇給、園長が471,100まで昇給しています。
ここまで出せないのであれば、沖縄県に準じ、助教諭 309,500円、教諭413,400円、園長458,900円まで出すのが妥当だと思われる。園長、副園長、主任には管理職手当も要検討。
ここで重要なのが、臨時職員も経験年数に応じて最高31万前後まで昇給するという点です。その他の手当もしっかりと保障することが求められます。(正規で雇わず、臨時を常態化させているのは、浦添市の保育行政の失策であり、それで現場の職員が不利益を被るのはおかしいといえます。)
また浦添市は那覇市の人口規模であっても真似しているようなので、大津市の事例も参考になると思います。那覇市(人口322,187名) 大津市(人口342,944名)
大津市は講師306,300円、教諭405,000、園長421,900まで昇給します。管理職手当も18/100を越えない範囲で支給されています。
このように、保育職として、その専門性に見合った給与を保障することは大事だと言えます。これからより「質」の求められる時代に、給与をあげていくことが大事といえます。
また、私は3級で主任保育士、副園長で提案しましたが、他市町村は講師、教諭、園長とシンプルにしているため、主任保育士、副園長の級は作らずに手当5,000円などで現状通り対応するのも良いかと思います。
ここまでは臨時職員も含めて保育職全体の給与が保障されることを目指して提案しました。しかしながら、浦添市はキッズファーストではなく予算ファーストなのでこの案を受け入れるとは到底思えません。そこで行政職と同一基準で運用している三田市(人口113,078名)を紹介します。
2級 相当の知識又は経験を必要とする幼稚園教諭及び保育所保育士の職務
3級 副主任保育士、幼稚園教諭の副主任の職務
4級 主任保育士、主任教諭
5級 保育所所長補佐、幼稚園の園長補佐の職務
6級 幼稚園長の職務 幼稚園の副園長の職務 所長 副所長
1級287,000円 2級345,000円 3級352,500円 4級394,400円 5級402,500円 6級413,300円となっています。管理職手当が園長6万、副園長4万5千円あり。
さて、市にとっては都合の悪い意見となりました。那覇市などの近隣市町村だけではなく、しっかりと保育行政を行っているところを見習って検討していただきたいと思います。
保育現場は以前に比べて求められているものが多く、待機児童解消などの「量」だけではなく「質」を高めて確保する必要があります。そのためにはやはり、保育職員の質が直結します。質に見合った給与条例の制定が必要になってきます。
認定こども園に移行するにあたり、浦添市がこれからの保育について考えるいいきっかけになるのではないか。人件費削減のいいきっかけとして終わらせるようではな、未来はありません。この数年で、浦添市の保育行政がより良くなるように祈って終わりにします。
回答
このたびは、貴重なご意見、ご提案、まことにありがとうございます。
まず、地方公務員給与の決定原則についてご説明いたします。地方公務員法において、情勢適応の原則、職務給の原則、均衡の原則が謳われています。情勢適応の原則とは、給与、勤務時間その他の勤務条件が社会一般の情勢に適応するように、随時、適当な措置を講じなければならない、ということです。続いて、職務給の原則とは、給与は責任と職責に応ずるものでなければならない、ということです。そして均衡の原則とは、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定めなければならない、ということです。
ご承知の通り、市立幼稚園が認定こども園への移行を機に、給料表の見直しが行われることになりましたが、現在の幼稚園教諭には単一級構成の教育職給料表が適用されていることから、今後想定される多様な職務に対応することができません。職務給の原則を尊重するためには、複数級を持つ給料表への改定が必要となります。
それから、保育士及び保育教諭に限った給料表を独自で創設することについては、県内他の地方公共団体でも例がなく、職務の種類の相違、職員数(団体規模)、スムーズな人事交流、県内他市の状況等を総合的に考慮すると、保育士及び保育教諭(移行までの公立幼稚園教諭)に限った給料表を独自で作成することは、困難と言わざるを得ません。その地域の民間における公務と相当する職種の者について、役職段階、学歴、年齢の給与決定要素を同じくする者同士の給与額を比較することが難しいことが大きな理由です。
沖縄県教育職給料表に準ずること、そして他県での例をご提案いただきましたが、さきに申し上げたとおり、均衡の原則とは、その地域の他の地方公共団体との均衡を図るものでもあると認識しています。
以上を踏まえ、保育教諭(移行までの公立幼稚園教諭)に県内他市同様、行政職給料表を適用させることが現実的な選択であると考えています。
ご心配されている幼稚園教諭の給料が下がるのではないかということについては、移行によって給料月額が下回ることがないよう対応してまいります。
また、臨時職員の処遇についても、現在、国で示されている会計年度任用職員制度の実施とともに適正な給与支給について検討を進めているところです。
本市職員の業務に対して、質の確保のために給与を引き上げるべきとの市民の方からのご意見は、われわれの職務に対するなによりの励みとなります。職員一同、より一層市民福祉増進のためにまい進する所存です。