記事番号: 1-5471
公開日 2022年05月01日
老齢基礎年金とは、国民年金保険料を納めた期間(保険料免除期間を含む)が、原則として10年以上ある人が65歳になってから受けられる年金です。
【年金を受けるために必要な期間】
以下の期間を合算して10年以上の期間が必要です。
※平成29年8月1日より年金を受けるために必要な期間が10年に短縮されました。詳しくはコチラ
- 国民年金の保険料を納めた期間
- 学生納付特例を受けた期間
- 若年者納付猶予を受けた期間
- 任意加入できる人がしなかった期間など(合算対象期間・カラ期間)
- 昭和36年3月以後の厚生年金保険(船員を含む)の被保険者期間または共済組合の組合員期間
- 第3号被保険者期間
合算対象期間(カラ期間) 老齢基礎年金を受けるための受給資格期間には算入されますが、年金額の計算には反映されない期間があります。「合算対象期間」または「カラ期間」と言われています。以下のような期間が合算対象期間となります。
※これ以外にも合算対象期間となる期間がありますので、受給資格期間の確認についてはお近くの年金事務所にご相談ください。 |
【老齢基礎年金の年金額】
20歳から60歳になるまで(加入可能年数40年)の保険料をすべて納めると、令和6年度の年金支給額は816,000円(月額 68,000円)です。加入可能年数に満たないときは、納付された月数に基づき計算されます。
■年金額計算方法(令和6年度)
816,000円×{(保険料納付済月数+各保険料免除月数×下記別表乗率)÷480月}
※付加保険料を納めた期間のある場合は、「200円×付加保険料を納めた月数」が付加年金として年金額に加算されます。
※昭和31年4月1日以前生まれの方は年金額が異なります。詳細は日本年金機構ホームページをご覧ください。
(別表)免除期間を老齢基礎年金額に算入する乗率
免除の種類 | 免除期間の時期 | |
平成21年3月以前 | 平成21年4月以降 | |
法定免除・全額免除 | 6分の2 | 8分の4 |
4分の3免除(4分の1納付) | 6分の3 | 8分の5 |
半額免除(半額納付) | 6分の4 | 8分の6 |
4分の1免除(4分の3納付) | 6分の5 | 8分の7 |
【老齢基礎年金の繰上げ支給と繰下げ支給】
老齢基礎年金が受けられる年齢は65歳に達した日(誕生日の前日)の翌月分からですが、希望すれば60歳から64歳までの間でも繰り上げて受け取ることもできます。しかし、受けようとする年齢によって年金額が減額されます。また、希望すれば66歳以後70歳までの間に繰り下げて、増額された年金を受け取ることもできます。ただし、一度繰上げ、繰下げ請求をすると一生同じ割合で年金を受け取ることになります。
<繰上げ受給の注意点>
老齢基礎年金を繰上げ請求すると、以下のような制限があります。
- 受給する年金額は、一生減額された年金額になります。
- 60歳以降に初診日のある病気やケガで障がいの状態になっても、障害基礎年金は受けられません。
- 60歳以前に初診日のある病気やケガによる障がいの程度が重くなっても、障害基礎年金は受けられません。
- 寡婦年金は受けられません。
- 国民年金の任意加入はできなくなります。
- 過去に保険料の免除を受けた期間の追納ができなくなります。
- 65歳前に受けている老齢厚生年金・退職共済年金は減額される場合があります。
- 遺族厚生年金・遺族共済年金を受けるようになったときは、65歳になるまではどちらかの年金を選択することになります。(65歳以降は減額された老齢基礎年金と遺族厚生年金・遺族共済年金は併給されます。)
<繰下げ受給の注意点>
老齢基礎年金を繰下げ請求しようとする際は、以下の点にご注意ください。
- 70歳を過ぎて請求しても、増額率は増えません。請求が遅れると時効によって年金が受けられなくなることがあります。
- 他の年金(障害厚生年金や遺族厚生年金など)の受給権発生後は、繰下げ請求はできません。
【請求に必要な書類】
老齢基礎年金を受けようとするときは、以下の書類が必要です。
<必ず必要なもの>
- 年金手帳(請求者・配偶者)
- 預金通帳(本人名義のもの)
- 認印
- 戸籍謄本 1通(本籍地の市区町村役場で)
※配偶者がいない場合、または本人と配偶者が国民年金第1号のみに加入していた場合は必要ありません。 - 住民票謄本 1通
※配偶者がいない場合は住民票抄本
<該当する方のみ>
- 配偶者の年金証書・・・配偶者が公的年金を受給している場合
- 繰り上げ請求書・・・65歳未満で受給申請する場合(窓口で本人が記入)
- 繰り下げ請求書・・・66歳以後に受給申請する場合(窓口で本人が記入)
- 年金受給選択申出書・・・請求者が他の公的年金を受給している場合
- その他・・・カラ期間が必要な場合、戸籍の附票、パスポート等カラ期間を証明できる書類
代理人の方が申請する場合は、上記のほか、委任状と代理人の本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証等)※詳しくはこちら(日本年金機構 ホームパージ)が必要です。
【老齢基礎年金の請求手続き先】
- 本人が国民年金第1号のみ加入していたとき:市区町村役場 国民年金窓口
- 本人が国民年金第3号・厚生年金・共済組合・船員保険等の加入期間があるとき:市区町村を管轄する年金事務所