記事番号: 1-1360
公開日 2016年10月03日
台風がもたらす災害。その対策の重要性を知る。
沖縄は言わずと知れた台風が多く直撃する島です。
台風が直撃する事に慣れた沖縄ではありますが、台風は自然災害の一つであり、甚大な被害をもたらすことを認識しなければなりません。一人一人の台風に対する意識や直撃に備えた準備行動。
被害を最小限に抑えるために、私たちは何をすべきでしょうか。
災害リスクの高まり
平成23年3月の東日本大震災、今年4月には熊本地震が発生。いずれも我が国に甚大な被害がもたらされました。
最近では地球温暖化などが原因とされるゲリラ豪雨、洪水に高潮、土砂災害と、誰の身にも災害が降りかかるリスクが高まっています。
そうした中、高齢者が障がい者、妊産婦、乳幼児、病人等の避難行動要支援者への対応や広域的な応援・支援体制づくりなどが課題となっています。
本市では、そういった課題などにも対応すべく「地域防災計画」を策定するなどし、防災体制の充実や防災情報の収集・伝達が行える仕組みづくりに取り組んでいます。
台風災害
台風は8月から10月が最も発生しやすい時期で、ひとたび台風が直撃すると農作物は壊滅し、街路樹は倒木、草木の散乱、暴風による飛来物で事故や怪我なども多数発生します。また、停電や断水など、ライフラインが遮断され、私たちの生活に及ぼす影響は大きなものとなっています。
地域防災計画に基づいた台風等災害時の対応
浦添市では台風接近など災害が発生し、または発生するおそれがある場合には、災害警戒本部や対策本部が設置されます。市は、応急組織を編成し、市域における災害に対する警戒および応急対策を実施し、緊急時に職員が待機し、必要に応じて迅速な対応を取ります。
自助・共助・公助の精神
災害対策を行政のみで実施するのは不可能があります。災害に強く安全・安心なまちづくりを実現するためには、自助・共助・公助の精神のもと、行政をはじめ、市民、地域、事業所等においても防災体制の充実・強化が求められています。
それぞれの連携と適切な役割分担をした上で防災対策を講ずることが重要です。
地域においては、あらゆる災害に対応できるよう、自主防災組織が立ち上がっているところもありますが、平成27年現在、結成されているのは5団体にとどまっています。自主防災組織の活動は地域防災の要であり、地域防災力を高め災害に強く安全・安心なまちづくりを実現するためには欠かせない存在です。
そのため、市民の防災意識の高揚を図り、地域住民等による自主防災組織の結成を一層促進するため、市では「まちづくりふれあい出前講座」に防災講座を設け、自主防災組織の作り方や防災全般について説明する取り組みを行っています。
市民便利帳と防災タウンページには台風等の災害対策を掲載。
自主防災組織を結成し、地域で取り組む 浦添市仲西自治会長 毎年実施している地域の避難訓練をする中で実感しているのは、自分の力で避難できない人をどう避難させるかという事です。その時に必要なのは若い人たちの力。もしもの時の為に彼らを含め、ぜひとも多くの地域住民の皆さんに訓練に参加してほしいと思います。 |
災害時で大切なのは情報を共有するということです。市では公式ホームページ をはじめとして、SNS等を利用し情報発信を行っています。
台風時などのように災害警戒本部・対策本部が設置された場合、防災や交通情報、市役所や公共施設の状況をいち早くお届けします。台風来襲の前に、ぜひダウンロードしてください。
土砂災害警戒区域を知る
浦添市内には、台風時や大雨時に土砂災害が発生する恐れのある区域が複数あります。それを示した図が上の「土砂災害警戒区域図」です。(この警戒区域図は沖縄県ホームページにある「沖縄県地図情報システム」で詳細を確認できます)
平成26年6月の大雨、同年7月に襲来した台風8号の時には浦添市内3か所でがけ崩れが発生しています。崖崩れなどは事前に察知することが難しく、発生すると住宅の損壊、場合によっては生命に関わることもあります。
皆さんの住んでいる地区が危険箇所に該当していないか確認しておいてください。
集中的な豪雨などにより土砂災害の危険度が高まった場合、沖縄県と沖縄気象台が共同で、市町村を特定した形で「土砂災害警戒情報」を発表します。
警戒区域を知った上で、この情報が発表された際は、迅速な判断で自主的に非難をするなど万が一に備えることが大切です。
日頃から家族や隣近所など密にコミュニケーションを取り合い、情報を共有し、高齢者や身体の不自由な人、小さな子どもを抱える家庭など、地域みんなで協力し合いながら非難しましょう。
浦添市内の土砂災害警戒箇所の情報について、上記システムで確認できない場合は、こちらのGoogleマップ(土砂災害警戒箇所マップ)をご参照ください。
早めの行動と不要不急の外出を控える
総務部 防災危機管理室
玉城 尚室長
台風も自然災害の一つ
沖縄には「なんくるないさー」という方言があるように、沖縄県民は良くも悪くも楽観的なところがあります。台風襲来時もそう。直前になるまで行動しない。もしくは襲来時になって初めて行動するという人たちは決して少なくないのではと感じています。
台風時の被害を最小限に抑えるためにまず大事なことは、早めの行動を心掛けるということです。襲来時は猛烈な風雨によって停電することもあります。「備えあれば憂いなし」あらゆる事態を想定して必要なものを買いに行く、ベランダにあるものを片付ける、窓を固定するなど、「外に出ないための準備」が必要です。
対策を怠ると他の人にも被害が
些細な台風対策でもきちんとやらなければならないという気持ちをもってほしいと思います。台風は強風で物を飛ばしますので、簡単にベランダの物や空き家の水タンクなども飛ばします。そのことで家屋や車両を破壊したり、道路を寸断、最悪の場合人身事故におよびます。
不要不急の外出を控える
最接近時は絶対に外に出ないことです。飛来したものが直撃したり、強風にあおられ転倒する危険、ドアに指が挟まれ切断してしまう事故が発生するなど、被害を負うリスクが極めて高くなります。
たとえ自宅で待機していても、飛来物で窓などが破損する場合があります。危険な状況であれば、お風呂場などの安全な場所に非難してください。破損した場所をすぐさま修繕しようとしても、暴風でうまくいかないどころか、さらなる被害にあう危険性もあるため、破損した場所の修繕などは台風通過後に行ってください。
周りに頼り頼られる
あらゆる対策を講じた上で、災害被害をゼロにする事が望ましい結果ですが、どれだけ万全に対策をしても被害はゼロではありません。一人では対処できないこともあります。周りの人たちと連携しながら、万全の態勢で対応しましょう。