定員適正化計画とこれからの浦添について(市民意見)(平成30年7月30日受付)

記事番号: 1-1787

公開日 2018年08月09日

ご意見



 地方公共団体における適正な定員管理の推進について(第10次定員モデル 道府県分)(平成29年3月地方公共団体定員管理研究会報告書)によると、「なお、これらの参考指標は地方公共団体の定員の“あるべき水準”を示したものではなく、定員の現状を客観的に示したものであり、活用に当たっては、地域住民のニーズや行政サービスの違いにも留意することが必要です。各地方公共団体においては、地域の実情を踏まえつつ、行政サービスと職員数のバランスについて、自ら考えることが重要です。」とあります。



 浦添市に限らず沖縄県全般で保育士不足による待機児童が「地域の実情」になっています。にもかかわらず処遇が安定しない(気まぐれで行き当たりばったりの処遇改善手当など、何の気休めにもならない。)民間法人に委託を推し進めようとすることが果たしていいことなのかどうか。公定価格の値上げについても主張したいところであるが、これは市の業務でないため、遠慮します。



 民間保育所では年間休日が105日前後が多く、またボーナスも少なく、低年収と、割に合わない業務量が問題になっています。



 それは、公務員試験における保育職の倍率をみれば明らかであろう。昨年実施された幼稚園教諭職の倍率は56倍になっている。民間の休日が年間125日で、処遇が良ければここまで倍率が高いことはないであろう。これは潜在保育士を増やす一因と捉えることができる。



 これらの「地域の実情」を鑑みて、果たして保育行政と職員数のバランスがあたっているのかどうか。また、正規職員と非正規職員の待遇の差が広がれば広がるほど、水面下で歪が大きくなるであろう。



 また、経済的な側面から考えてもB/C(ベネフィット/コスト)はどうなっているのであろうか。保育士がいるから共働きが可能になり、各種税金が納められ、経済が活性化されるのである。保育所のコストとベネフィットを比較検討するのも大事ではないか。こちらはこども未来部が独自で調査してほしいところである。また、保育は将来への投資と考えることができ、「こどもの最善の利益」を保障することで、将来の浦添を担う人材になることを考えれば、やはりB/Cが1を切ることは考えにくい。



 浦添市は以前「 ご意見のございました保育士の定員につきましては、今後の公立保育所のあり方及び公立幼稚園の認定こども園への移行等も踏まえ次期計画を策定していく必要があると考えております」(/article?articleId=609e70a33d59ae2434bfd8d8)と返答しています。



 認定こども園へ移行するにあたり、11園を半分にし、職員を集約化する。また、専任園長を配置することなども市議会で述べられていました。



 現在副園長職にあるものが降格扱いにならないように、11名が園長、副園長に就任し、現在、臨時職員が半分程度になっている学級担任を、学級数を半分にすることで「全学級担任を正規職員」にする計画だと思います。



 市議会で話題にあがる「学級担任の正規職員率」は100に近くなりますが、認定こども園になることで副担任制になりより保育所のシフトに近くなることだと思います。これまで預かり保育職員として全職員を臨時で担っていた部分に関しては、副担任も全て臨時で担うつもりでしょうか。



 また、公立保育所においても人員が確保できずに「OKINAWAステイ計画」と題して、県外から「臨時職員」を募集するという自体になっています。



 集約化してもなお課題は山積しています。集約化する前の現在も正規職員が不足していますが、集約してもなお不足しています。やはり、保育行政と職員数のバランスが悪いと言えます。



 市民である私からしても「行政サービスと職員数のバランス」が悪いと感じていますが、市の公式見解としては「地域の実情を踏まえたバランス」になっているとお考えでしょうか。



 また、定員適正化計画に関してもありきたりな返答ではなく「市の情熱、これからの考え」が知りたいところです。キッズファーストと謳い、また「民間の活用」などといい言葉ばかり並べていますが、40年間で80億の保育職(生涯賃金が2億、40年で40人採用だと考える)の予算すらかけられないようでは、嘆かわしいとしか思えません。



 また、「県費負担保育職」などの創設を沖縄県に掛け合うのはどうであろうか。沖縄県には「振興予算」として多額の予算が国からもらっています。その中の一部を「待機児童の解消」を狙う上でもやはり市町村だけではなく、県にも要請するのはどうであろうか。



 最後に、定員適正化計画が地域の実情を踏まえた本当の意味での「適正化」になり、現在臨時職員として働いている全職員が正規職員になり、浦添の保育を担い、また発展させることを願います。



 また、民間で務めている保育者の皆様の待遇が改善され、保育士不足が解消されて、待機児童がいない市になることを願っています。



回答



 このたびは、貴重なご意見、ご提案をいただきありがとうございます。



 ご意見のございました認定こども園への移行に伴う職員配置につきましては、園長及び副園長並びに各クラスの学級担任を正規職員とし、臨時職員を副担任として配置する予定となっております。このことにより、1園あたりの正規職員数も増え、職員体制の強化が図られます。



 また、市の公式見解として「地域の実情を踏まえたバランス」になっているかということに関しましては、現時点においてはおおむね適正であると考えております。



 保育士等の定員につきましては、今後の公立保育所のあり方及び公立幼稚園の認定こども園への移行等も踏まえ、次期浦添市定員適正化計画を策定していく必要があると考えております。



 保育士の正規雇用化や処遇改善につきましては、課題もございますが、市といたしましても、限りある人員、施設及び財源で安定的かつ持続的な行政サービスを市民に提供できるよう、様々な施策を検討しつつ、1日でも早く待機児童の解消が実現できるよう引き続き取り組んでまいります。



 「県費負担保育職」などの創設を沖縄県に掛け合うというご提案に関しましては、制度上の困難さがあるとは思いますが、貴重なご意見として受け止めさせていただきます。


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