火災保険金を使って住宅の修理を勧誘するという事業者に関して

　保険金を使って住宅の修理を行う、保険金の請求サポートをするなどとして消費者を勧誘する事業者に関する相談があり、消費者庁が注意喚起を呼び掛けています。

　令和５年４月以降、消費者宅に電話がかかってきて、「自宅を無料で点検できる」、「火災保険で軒どい等の修理ができる」などと説明し、消費者宅に訪問して無料点検を実施後、損傷箇所について「このままだと雨漏りをしてしまう可能性が高い」などと自宅の修理が必要であることや火災保険金を使って実質的に無料で修理工事が可能であると説明し、修理工事契約を締結するという事例が発生しており、このことが不審であるという相談が各地の消費生活センターなどに多く寄せられています。
　

　住宅の損害が経年劣化によるものだと知りながら、自然災害による損害であるかのように、うその理由で保険金の支払を請求すると、保険会社から保険金の返還請求や保険契約の解除をされたり、詐欺罪に問われたりすることがあります。

　消費者庁が調査を行ったところ、「天建」と称する事業者(以下「本件事業者」といいます。)が、消費者の利益を不当に害するおそれのある行為(不実告知)を行っていたことを確認したため、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表し、消費者の皆様に注意を呼びかけています。

本件事業者の概要

屋　号：天建
所在地：東京都千代田区神田佐久間町3－21－5－307
代表者：吉田　祐樹

消費者庁からのアドバイス

①「無料」といった甘い言葉には落とし穴があります。
　　単に事業者からの言葉だけで契約することなく、自分でしっかり契約書等を確認しましょう。

②自分の身にも起こることとしてとらえましょう。
　　台風・豪雨・大雪等の自然災害は、全国各地で発生しており、特別なことではありません。特に沖縄は台風の多い地域です。自分のこととしてとらえ、警戒心を緩めることがないようにしましょう。

③保険金の不正請求は「詐欺罪」に問われることがあります。
　　自然災害による住宅の損害は、加入している損害保険で補償されるケースがありますが、経年劣化によって生じた損害は支払いの対象とはなりません。経年劣化による損害だと知りながら、自然災害による損害であるかのように、うその理由で保険金の支払を請求すると、保険会社から保険金の返還請求や保険契約を解除されたり、詐欺罪に問われたりすることがあります。

④まずは相談をしましょう。
　　「火災保険が使える」などと勧誘されたら、まずは加入先の損害保険会社か損害保険代理店に相談して、修理事業者から受けた勧誘内容の真偽について確認しましょう。
　　また、不安に思った場合やトラブルになった場合は、早めに消費生活センターなどに相談しましょう。
　　

　詳しくは、こちらの消費者庁公表資料をご覧ください。

 

相談窓口のご案内

◆消費者ホットライン「１８８（いやや！）」番

◆警察相談専用電話　「#９１１０」番

◆保険金に関する災害便乗商法 相談ダイヤル（一般社団法人日本災害保険協会）0120-309-444